今朝は少しだけ特別な感慨を持っていつものようにPassとともに鳥屋野潟のほとりを歩く。
もう、遠く過ぎ去った話だ。
返事のない手紙
1990、3、14・・・
あなたが心から愛した越後平野にやっと春がやって来たというのに、私は宛名のない手紙を書かなくてはならなくなってしまいました。今年は、例年になく2月が暖かく、桜前線の北上も早そうです。
中略
あなたが遠く旅立ってしまった今も、いつものように春が来て、やがて、また黄金色に輝く越後平野の秋が、しんしんと墨絵のような冬が・・・巡り続けることでしょう。
中略
・・・こう考えると、独りぼっちで生まれて、独りぼっちで旅立っていく、ちいさな小さな人間でも、深く静かな悲しみの中から、ほんの少し生きていく勇気が沸いてくるのです。
ふと、昔の日記を読み返すと、同じような季節が巡っている。
ことしも鳥屋野潟に春が来る・・・
風花のような雪の舞う、少し冷たい風の中で、あの頃の僕に戻り、図書館のうら、鳥屋野潟のほとりを歩きながら、公園を出て、今の自分に戻ってゆく。
今にも開きそうな赤いつぼみは、寒緋桜・・・この花が開き始めると次に彼岸桜が咲いて、一気に春。