GRⅢ
何だかどさくさに紛れて12月。
閉塞感の中で、考える時間だけはあった。
最近以前から気になっていた初沢克利の「浅草」という写真集を手に入れた。
浅草の写真集といえば、今年亡くなった鬼海さんの「PERSONA」はもちろん持っている。
全く違うアプローチで浅草の人が撮られているのだが、共通するのは、
そこにある浅草や、「人」は「ソーシャルディスタンス」は取られていないし、そして新しい生活様式の中では撮られていない。
ほんの1年前、3密なんて言葉はなく、むしろ3密が常識で、
それを避ければ「水臭いやつ」なんて言われたものだった。
ボクはもともとべたべたした人間関係は苦手なのだが、
それにしても、無理やり「ディスタンス」をとっている生活というのは、
いつの間にか、本当に必要な人間の関係性にまで距離ができて、
その距離に中に、得体のしれないものがするりと忍び込んでくるのではないかという、いやな気分に襲われる。